夏休み、冒険への扉は小さな鍵で開かれた

 主人公は小学校6年生の男の子、ひろと。弟のたけるに付き合って砂場で遊んでいたら、たけるが金色の鍵を掘り当てた。
 子供ならだれしも、「がらくた」に見えるものを発見して宝物だと大切にした思い出があるだろう。
 これも、そうなるはずだった。

 鍵を渡せと追ってくる「マフィア」「海賊」。
 巻き込まれるようにかかわった同級生の女の子、久野命名「変態」達に追いかけまわされたひろと達は、やはり同級生のこーすけをも巻き込んで鍵を守ろうとする。
 子供達は鍵から現れた「キィ」との友情を深めていくが、やがて鍵の本当の役割、遠い宇宙での出来事、そして、地球の存亡にまで関わってくる。

 小さな冒険が大きな出来事へと変わりゆく中、それでもひろと達はあきらめない。
 キィも、自分達も守りたい!
 彼らの願いは、行動は、どのような結末を生むのか、ぜひとも読んで確かめていただきたい。
 子供だけでなく大人にも、大切な物を教えてくれる、そんな作品だ。