小学六年生の男の子、ひろとの視点で描かれる夏休みの冒険は、砂場から金色の鍵を掘り出したことから始まります。
鍵から出てきた不思議な存在、キィ。
キィを取り戻そうとする、何か。
子供たちはそんなキィを守るために、知恵と勇気を振り絞って立ち向かいます。
そして共に過ごす中で、深い友情を育んでいくのです。
一緒に鍵を見つけたたけるに向ける、兄貴分としての言動。
親友のこーすけに対する信頼と、どこか負けたくないという思い。
大人ぶっているのに何かと手が出る久野には、気づけば新しい感情が芽生えていて……?
ひろとの子供らしい心の動きが、「あぁ、あの頃って、こういう風に色んなものごとがキラキラしていたんだな」という懐かしい気持ちにさせてくれます。
冒頭から感じていたドキドキとワクワクが最後まで止まらず、読み終えたあとは、彼らと一緒に夏休みを過ごしたような、ひどく心地よい達成感がありました。
あの結末を選んだ彼らの、ひと夏の成長。
是非その目で見てみてください。おすすめです。
主人公は小学校6年生の男の子、ひろと。弟のたけるに付き合って砂場で遊んでいたら、たけるが金色の鍵を掘り当てた。
子供ならだれしも、「がらくた」に見えるものを発見して宝物だと大切にした思い出があるだろう。
これも、そうなるはずだった。
鍵を渡せと追ってくる「マフィア」「海賊」。
巻き込まれるようにかかわった同級生の女の子、久野命名「変態」達に追いかけまわされたひろと達は、やはり同級生のこーすけをも巻き込んで鍵を守ろうとする。
子供達は鍵から現れた「キィ」との友情を深めていくが、やがて鍵の本当の役割、遠い宇宙での出来事、そして、地球の存亡にまで関わってくる。
小さな冒険が大きな出来事へと変わりゆく中、それでもひろと達はあきらめない。
キィも、自分達も守りたい!
彼らの願いは、行動は、どのような結末を生むのか、ぜひとも読んで確かめていただきたい。
子供だけでなく大人にも、大切な物を教えてくれる、そんな作品だ。