人間は矛盾した生き物である。だから感情を言葉で表現することは難しい。

 この作品を読み終わってまず感じたのは、物語の登場キャラクターではなくいかにも現実に生きている人間が描かれている、という点でした。人間は矛盾した生き物である、というような意味で。
 そういう小説が好きな人には、是非オススメしたい作品です。

 また、感情を言葉で表現することの難しさ。自分が恋をしていた若い頃、自身の感情を言葉で言い表そうとすればするほど「何か微妙に違う」と感じたのを、ふと思い出してしまう……。そんな作品です。

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