リアルとネットの狭間の物語

ネットの自分は大きくなりがちだ。隠せる部分が多い分、なりたい自分になれるような錯覚を覚える。リアルの自分でいる必要のない環境は別世界に感じる。

そうして作り上げたキャラが誰かに受けてしまうと、歯止めがきかなくなる。フォロワー、リツイート、いいね、PVなど如実に数字として現れてしまう残酷な一面もあるから尚更だ。

続けなければ数字が稼げず、誰かとの縁も切れてしまう。けれど、リアルとネットの自分の間に齟齬が生まれると、本当の自分ってなんだろうと悩み、歪む。

私にとってこの物語はなんだろう。
人を人たらしめるものって意識と記憶だと思う。
どれだけ自分を大きく見せようとしても、結局自分は自分以外の何者になれない。

でもそうやって自分は主人公とは違う、こうはならないと考えてしまうあたり、ちんこ画像を送る人間の側にいるのだろうなとも思った。自分にとってはこの物語は遅効性のある毒薬かもしれない。

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