第4話 夏



雲ひとつ無い空に、飛行機雲が東から西へと伸びている

くわえ煙草のまま

飛行機雲を追いかける

太陽が眩しく、煙りがしみた

いつもどおりの夏が終わる

トンボが風に流され宙を舞っている

椋鳥の夫婦がとぼけた風情で虫を探している

夏に疲れた一葉の葉が風に舞う

ひらひら ひらひら

風に舞う

群青色の空に微かな模様を残していく

かわりない夏は唯、ひとつの季節を刻み

余白の隙間を創ったのだろう

青い空には、幾つかの余白の情がシャボンの玉と一緒に漂ったんだろう

飛行機雲が消える頃

飯はまだかと腹がないた

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