第2話 まだ見ぬ世界へ、またはあの頃に


反省、後悔

久しく感じなかった感情

不安、畏怖

ありがたい


虫の死が目の端に残る


道でタヌキがはねられている


鼻歌は歌えない

寂しい口笛ばかり


陽に焼けすぎた娘は

肉を食べ過ぎた君は


今日はなにか急ぎ足だ


普段いぢらなかった

バイクを売ろう


トランプの札をめくるように切り替えた

おまえが悪い


犬にもならずに、猫に怯える虎は

夕日ヶ丘の銭湯へは入れまい


焼き鳥を食べ過ぎた龍は

西成のどて焼を知らない


うつろいゆく光景の、その今にも壊れそうな光景に気が付かなかったおまえが悪い



道であげはが死んでいる


痩せた猫が途方にくれた


道で椋鳥が死を迷う



ゆっくりとした速度で、不安、畏怖、物欲、憧れ、欺瞞、を受け入れる


口笛はもう吹けない

いつか、お経をあげるだろう

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