※AIを使用した第8話【そうそうこう言うので良いんだよ!】
鳩子さんは両羽をパチンッと叩いて言った。
「そうだ! これから一緒にご飯食べませんか? 私のお弁当分けてあげますよ~」
「えっ、良いの? ありがとう。じゃあ、遠慮なく頂きます」
「では、
「こうかな?」
僕は言われた通りに口を開いた。
「はい、あーん」
すると、彼女の箸(と手羽先)が勢いよく突っ込まれる。
その瞬間、僕の脳裏に電流というかアレルギー反応というかが走る。
これはもしや、世にいう恋人同士の『あーん』という奴ではなかろうか!?
「ちょっ、ちょっと待って! こんな所を誰かに見られたら勘違いされちゃうよ!?」
「大丈夫ですよ。誰も見てないと思いますし、さっき扉ガチガチに閉めましたよね?それに私は気にしません」
「僕が気になるんだよぉ~!」
「はい、もう一回。あーん」
「あっ……むぐっ……もご……」
こうして、僕は彼女に文字通り餌付けされる事となった。
しかし、この味……穀物ばかりだが食べ馴染みがあるぞ。
う〜ん何だろう、懐かしい感じがする。
どこでだろうか?
不安そうに覗き込む鳩子。
「美味しいですか?」
「うん、とても……美味しいです」
僕は歯で噛み締めながら味を確認した。
手作り弁当の破壊力で感動していたからだ。
「それは良かった」
「あぁ……これって、もしかしてお母さんが作ったの?」
「いえ、自分で作りました」
「そっか、偉いな……」
「いえいえ、そんな事ありませんよ」
「…………」
「…………」
沈黙が流れる中、僕達は黙々と弁当を食べ続けた。
人とは言いづらいが、これは紛れもなく女子の!、女子高生の!、手作り弁当だからだった。
数分後〜
「ふぅ……もう食べられないよ」
「私もです。満腹で動けません」
二人で並んで仰向けに寝転びながら空を見上げる。
雲一つ無い青空が何処までも広がっていた。
屋上から見える景色はとても綺麗だった。
あっ、鳩が飛んでる……仲間かな?。
僕は横を見た。
ドアップの鳩子さん、瞬きがリアルすぎて少し怖い。
「ねぇ、鳩子さん」
「何でしょうか、
「君は一体、何処から来たの?」
僕は確信に迫る事を聞いた。
後悔はない。
だっておかしいじゃないか。
この展開に疑問を感じたからだ。
でも、鳩子さんは――天然だった。
「えっと、母の産んだ2番目の卵から産まれましたよ? こう見えて早生まれなんです」
彼女は素直に答えているのだろうが、誰かに話したら笑いを取りに来てしまうその言葉は、本人を見たら至極納得するだろう。
だって鳩だもん。
「やっぱりかぁ……それなら仕方がないね」
「でも、私がこの高校に来た理由は友達を作る為なんです」
「そうなの? 意外だな」
「はい、だって、ずっと独りぼっちだったので」
「そっか……」
「だから、今日は本当に楽しかったです。生まれて初めて出来た友達と一緒にご飯を食べて、屋上で日向ぼっこをして……。きっと、一生忘れない思い出になります」
頬を赤らめる……いや、元々赤かったが尚も紅く、朱く、赤い。
動物だろうが、食物だろうが、心は人と少しも変わらない。
少しだけ成長をした僕は無言で空を見た――僕も同じ気持ちだったから。
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