俺の周りには魅力的な存在だらけだ

※AIを使用した第11話【真実を知らないほうが幸せなときってあるよね】

放課後のクラス委員にて。

委員長の如月がスッと立ち上がる。

「じゃぁ、今日の委員会はここまで！お疲れ様でしたー！」

はいっ！！という元気な声と共に、生徒達は帰っていった。

しかし、僕はその流れに逆らうように教卓の前に立った。

「ちょっと待った！みんなに話したいことがあるんだ！！」

ざわつく教室。

「どうしたの人間君。何かあったの？」

少し欠けた表情の如月さんが聞いてきた。

「はい、実は……」

僕は説明を始めた。

朝のことを一通り話し終えると、クラスの皆んなが口々に喋り始めた。

「へぇ、鳩子ちゃんが全校生徒No.1美少女コンテストに出場か」

「許せないですわね。この私を差し置いて美少女なんて……」

「鳩子ちゃん可哀想……よし、私が守ってあげる！」

「はぁ……鳩子さん可愛い……はぁ……はぁはぁ……」

各々の台詞は少々危険なものがあったが皆、鳩子の事が心配な様子だった。

すると、一部始終を聞いていたのか鳩子が教室へ飛び込んできた。

胸を叩きキラキラと決意をした瞳で宣言した。

「みんなありがとう。でも、大丈夫です。私はこのコンテストで優勝してみせます！」

そして、少し間を置いてこう続けた。

「それに……私は……心に決めた人がいますから……かっこいいところを見せたくて……」

一瞬の静寂の後、 教室は歓声に包まれた。

「ねぇねぇ、好きな人って誰？もしかして２年の送狼（おくろう）君？」

「もう、水臭いな鳩子。コンテストが終わったら告っちゃいなよ」

酸いも甘いも大好きな恋話に花を咲かせる女子生徒。

(もしかして俺か？……そう言えばあのとき目があった)

(やっぱり僕のことが好きだったんだな。どうりでいつも挨拶を返し……)

その好きな人を自分だと誤解する男子生徒。

皆々、幸せな気分だった。

「ちょっ、違うんです皆さん！まだ恋人がいるとかじゃなくて！！」

鳩子は慌てて否定するが、誰も聞いちゃいなかった。

「ふぅ……まったく、騒々しいクラスだぜ」

僕は呆れた声で呟いた。

すると、隣の席からシャープペンで小突かれる。

トラブルメーカー兼ヤンキー気質の米倉さんだ。

「なぁ、あんたは出ないの？美少女コンテスト」

その瞬間、僕だけが時を止めた。

人間本当に驚くと声が出ないことを知ったよ