第6話【違う、聞きたいのはそっちじゃねぇんだよ】
「やぁ、どうしたの? もしかして起こしてくれたの?」
「カジカジ。ジロジロ。モジモジ……」
シュバッ。
おいおい、無口な上に僕の胸の花も取られたぜ。
恐ろしく早い手捌き、これは一本やられたよ。
良く〝羚羊の様な足〟と褒め言葉があるが想像以上にゴツいぞこの娘。
「美味しいのそれ?」
「ヒック、ヒッグ……」
えぇ、何か泣き出したのだけれども~
僕が対応に困っていたら教室の扉が開く。
ガラッ。
また、新しい生物とエンカウントだと思った。
しかし、その幻想は純白の光に消えた。
「ちょっと~
どうやら目の前の
中々に可愛らしい名前じゃないか。
親御さんグッジョブだ。
そう感心していたら、もう一人?がツカツカと歩み寄って来た。
スカートではなくズボンを履いているぞ。
男の子だろうか?
しかし、その子はモデル体型もさることながら、美白の塊のようなツヤツヤなお米だった。
僕を睨むような目付きと、白濁の
「あんた、玲衣に何したの? 泣いているじゃない?」
嫌、恐らく空腹のあまり食べたけど想像よりも美味しくなかったのが原因だと思う。
はぁ、何やら勘違いされているみたいだ。
「ねぇ、答えてよ!?」
そう怒鳴る彼女は、金色の穂のような長い髪で片目を隠している。
良く見れば口紅が梅色に濃い。
俗に言うヤンキーだろうか?
スゥハァ、冷静を保つんだ。
「ご、ごめんね。良く分からないんだけどさ。僕は
僕は手を差しのべると、挨拶代わりの自己紹介をした。
名を名乗った。
逃げる素振りもない。
先ずは身の潔白を晴らそう。
しかし、どうやら禁句を言ったみたい。
「誰が産地偽装じゃボケぇ! 米倉さんと呼べ! 米倉さんと!!」
僕はお米とは思えない程の鋭いストレートパンチを腹へと食らう。
「おっふ!……」
「オッホッホッホッホ!」
床に膝を付いた僕を嘲笑う米――じゃなくて、米倉さん。
「ちょっと
米倉さんの花を食べながら制止する
悶える僕と笑う米。
まだまだ、和解は遠そうだ。
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