俺の周りには魅力的な存在だらけだ

泥んことかげ

第1話【もう訳がわからないよ】


【胸】【足】【背】なら貴方ならどれが好みだろうか?


 正直言って、思春期である僕は【胸】が大好きだ。


 堪らなく大好きで、それこそ飛び出てる位がベストだ。


 将来は挟まれて死にたいとさえ思っている。


 そう――あの時までは……


 ★☆★☆★☆★


 俺は春から高校生になる『只野ただの人間ひとま』だ。


 頭脳明晰、運動抜群って事ではなく、新しい刺激を求め、新編成された学校の校門に立っている。


 入学前から胸が張り裂けそうになりながら、淡い青春を夢見てた一般人だ。


 そんな薔薇色の高校生活が楽しみで、夜更かししてしまい、寝坊してしまった。


 だからか、入学式会場である体育館に忍び込むように遅れて入り、自分の席へ着席した。


 周りを見る余裕はなく、校長の長い挨拶を始めに聞かなければいけない。


 すると、アナウンスが会場に響き俺はそれに、耳を傾けた。


『皆様~ご入学おめでとうございます。今年度の新入生へ本校の校長先生からご挨拶があります。』


 軽妙な音楽が鳴り、周りに合わせ拍手をすると、色白で身長180cm程で頭髪をヤケにこだわってそうな、【大根】が、登壇した。


 何を言っているか分からないと思うがそのままだ。


 いいや、可笑しいと思ったんだ。

 学校のパンフレットは、やけに綺麗だし校舎や設備は一級品、なのに……なのにだよ!?


【※当、学校では入学金はありません】


 何て書かれたら、そりゃ飛び付くだろ!?

 目先の誘惑に騙されたぁぁぁあ!!


 人間ひとまは、顔を両手で覆い落胆した。


 その驚きはまだまだ序の口だとは、露知らず――



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る