静かで温かい物語とそれを伝える美しい文章
- ★★★ Excellent!!!
セリフが一つしかないと聞き、どんな奇を衒った作品かと思いましたが、ある意味想像を超えていました。静かでときに温かく、ときに悲しい物語がたった8000字の中で実に見事に織りなされています。
そして何より文章が美しい。言葉の選択や漢字・かなの使い分け、リズム。その隅々にまで作者の真摯な姿勢が存分に表れています。
「物語」がその字のごとく、「語る」ことであることを改めて思い出させてくれる作品です。