小説だからこそ伝わる、無声の鮮やかさ

セリフはたった一つしかない。
しかし、これほどまでに人と人の関わりを深く描いた作品は、なかなかないと思う。

声なき集落の中で、音から離れた分だけ、鮮やかに世界が彩られる。
読み進めるにつれて、主人公と同じく感覚が研ぎ澄まされていくような気分になりました。

静かな時間に、ゆったりと読んでほしい。
疲れた心に沁み渡る、人の温もりを感じられる作品です。

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