閉ざされた繭の中で羽化を待つ、数々の光のお話

毒に侵された大地から、生き残った人間を守る繭(シェルター)。
いつか地上へ戻る日を待ちながら、懸命に生きる人々を描く連作短編集です。

情景が目に浮かぶような、丁寧な文章で描かれる世界は、儚くも美しい。
先の見えない終末世界で、何かを守り、受け継ぐ事で、未来への希望を繋ぐ人々。
そこには日々の暮らしや、悩み、愛する人とのささやかな日常があります。

非日常の中にある、ごく普通の日常を読んでいると、不思議と優しい気持ちになれました。
温かな気持ちになれる、素敵な作品です。
ぜひご一読ください。

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