十六歳の夏休み。魔女の女の子が家にやってきた。

夏休みを過ごす主人公、ナオの部屋に現れたのは、自らを魔女と名乗る女の子、リリス。
彼女は別の世界から研修のためにこの世界に来たそうで、一人前の魔女になるための試験を手伝うよう、ナオはお願いされます。拒否権なんてありません!

しかしナオが任された事というのは一冊のノートに、自分とリリスの事を書いていくというもの。今日話した事の内容とか、一緒に何かをしたとか、まあ日記みたいなものです。しかしそのノートの出来次第で、リリスが試験に合格できるかどうかがかかっているそうなのですが……何を書けばいいの?

ドラゴンを退治しに行くわけでも、怪しげな薬を作るわけでもなく、ひたすらお話したり、一緒にかき氷を食べながら過ごすナオとリリス。本当にこんな事してて良いの? 提出するノートに、『かき氷を食べてまったり過ごしました』なんて書いて怒られない? そう心配になってしまうほど、特別な事は何も無いのです。

だけど特別な事は無くても、リリスと過ごす時間は心地よくて。しかしこの試験には、一つルールがあるのです。それは、試験の期間が終わって、リリスが帰ったら、リリスの事を忘れてしまわなければならないと言う、悲しいルール。
忘れたくないけど、ルールは決して変えられない。だったらせめてリリスのために何かしたいと、必至でノートを書くナオ。健気ですねえ。

魔女と過ごした、不思議な夏の日々。たくさんのキュンと切なさが詰まっています。

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