ファンタジー世界の殺人事件に王女直属の少女探偵が挑む

舞台は魔法や吸血鬼、呪いが実際に存在するファンタジー世界のとある王国。

その国の王女がある狡猾な呪術師に呪いをかけられたため、解呪の条件について聞くために主人公は呪術師の住む街へ向かいます。

その街では呪術師は宿を営んで、宿泊する客に呪いをかけて自分の良いように利用するという悪辣な行いをしていました。
しかし主人公が宿泊した直後にその宿で殺人事件が起こります。彼女は解決のために奔走することになるのですが……。

ファンタジー世界ですと、どうしても世界観の説明が必要になり、推理についても魔法や呪いの設定が絡んできて複雑になりがちです。
しかし作者の方は上手く世界観を小出しにする形で物語を構成して、「魔法」「呪い」について説明しつつ、読者にもフェアな形で推理できるようにしています。

また悲しい過去を背負う主人公と王女の微妙な人間関係も、物語を引き立てます。
スムーズに最後まで読むことができました。