読後、自分の内側から襲ってくる感情に沸き立って叫びたくなります。静かな静かな空気の中に徐々に現れてくる衝動。心臓を思いっきり鷲掴みにされました。カクヨム作家さんならこの気持ち絶対分かるやつです。しゅんしゅんさらり。この音がわたし、好きでした。
今日こそ書かなければならない。もしあなたが物語を書く人なのであれば、一度は思ったことがあるのではないでしょうか?この物語は、文芸部であり女子高生の紡ぐ物語。静かに語られる文章は、どこか「思い出」に近い文章だなと感じました。毎日学校には出てくるものの、よく授業をサボっている莉奈との会話はもちろん、感情描写が上手く描かれています。文章を書きたいと思う瞬間の感情を言葉にすることは、共感する部分も多いのではないでしょうか。素敵な物語、ありがとうございました!
こういうのは時間がある時にゆっくり読まないといけない。そうそう、森本レオが朗読するみたいに。一度声に出して読んでみれば文章のリズム感がとてもはっきりと伝わってくると思う。冒頭からの流れるような文章、女子高校生の瑞々しい感性、いざ彼女が書き始めた時の躍動感。静と動の対比が素晴らしい。斯いう私はSFの人であって、ロボットもブラックホールも出てこない本作のような文芸作品を称えることは本来なら稀なのだ。しかし、これは一読しておいて決して損はない。あなたが気付くかどうかは別にして、ここには文章を書く上でのお手本が詰まっている。
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