こういうのは時間がある時にゆっくり読まないといけない。そうそう、森本レオが朗読するみたいに。
一度声に出して読んでみれば文章のリズム感がとてもはっきりと伝わってくると思う。
冒頭からの流れるような文章、女子高校生の瑞々しい感性、いざ彼女が書き始めた時の躍動感。静と動の対比が素晴らしい。
斯いう私はSFの人であって、ロボットもブラックホールも出てこない本作のような文芸作品を称えることは本来なら稀なのだ。
しかし、これは一読しておいて決して損はない。あなたが気付くかどうかは別にして、ここには文章を書く上でのお手本が詰まっている。