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これから連絡してくるんだろうなぁ。


…まっ、メールや電話ぐらいだったら、大丈夫か。


「ねっ、背中から抱き締めて良い?」


「なっ何でよ?」


「正面からだと拳が振るわれるから」


「そうじゃなくて!」


れっ恋愛方面だと、スキンシップを望むタイプだったのか。


「さっ触られるのもダメなの。そこまで重症なのよ!」


「じゃあ少しずつ触る」


「触らない、という選択肢は無いの?」


「うん、無い。だってホントは今すぐにでも押し倒したいのをガマンしているんだから」 


アタシはすぐにドアを見た。


ここからダッシュしても、きっと彼には追いつかれてしまう…。


「くっ…! すっ少しずつよ! イヤになったら止めてよ!」


「分かった」


かなり不安を感じながらも、彼に背を向ける。


「愛実って髪、キレイだよね」


最初は頭を撫でられた。


あっ、コレは平気。逆に気持ち良いかも。


「どっどうも」


「やっぱり手入れには気を使ってる?」


「そりゃあ高校生だもの。みがかないと勿体無いでしょ?」


「あはは。そうだね」


彼の手が髪の束を掴む。


…うん、コレも大丈夫。


そう思っていたら、ガバッといきなり抱きつかれた!


途端に全身から汗がどばっと出てきた。


気を失いそうになるも、彼が後ろから支えるので、倒れられない。


「ここで気を失ったら…大変なことになるよ?」


低くキレイな声で耳元に囁かれ、すぐに現実に戻る。


「うっウソツキ~! いきなりは止めてって言ったのに!」


力の限り暴れるも、彼は平然としている。


「ゴメンゴメン。何かガマンできなかった」


まっ間近で微笑まないで!


心臓が高鳴る。体が熱くなる…!


「―好きだよ、愛実」


耳にふき込まれた声が、全身を痺れさせる。


「ちょっと…!」


「可愛い反応♪ でもオレだけにしといてね? じゃないと愛実にちょっかい出すヤツ、殺しかねないから」


サーッと勢い良く、血の気が下がった。


ほっ本気だ! 顔を見なくても分かるぐらい、本気を感じ取れる!


「ねぇ、愛実は触られるのがイヤなんだよね?」


「そっそうよ」


今でも鳥肌が止まらず、貧血で倒れそうになるぐらい、苦手。


「じゃあ愛実から触るのは?」


「それは…大丈夫みたい」


自分からはあんまり触らないけどね。


「ふぅん。なら、今度は愛実からキスしてよ」


「はぁ? さっきしたでしょう?」


「実験実験。リハビリだってば」


理由になっていない…。


でもこの男は危険人物。何せ眼が笑っていない。


渋々顔だけ振り返り、そっと唇を合わせた。


「…どう?」


「言った通りよ」


大丈夫だったけど…さすがに恥ずかしい。


「まっ、ゆっくりいこうか」


そう言いつつもまだ解放してくれない。


やっぱり荒治療だと思いつつも、この腕の中にいることがイヤではないと思えた。



<終わり>

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恋愛恐怖症!? hosimure @hosimure

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