3

翌日の朝、学校へ行こうと家を出た時だった。


「おはよう」


「…えっ?」


声をかけられ、驚いて振り返ると、そこには何故か彼が…神沼夜白がいた!


「おっおはよう…」


ぐっ偶然? 偶然よね?


でも彼はバイク通学のハズだった。しかも住所を見たら、アタシの家からはかなり離れていたハズ。


「よかったら一緒に学校に行かない?」


「でっ、でも神沼クン、バイク通学じゃなかった?」


「バイクは学校に置いてきたよ」


…と言うことは、バイクで学校まで来て、そこから歩いてウチに…?


「じゃ、行こうか」


そう言って腕を掴まれ、歩き出す。


「えっ、ええっ!」



アタシが何にも言えないでいると、彼もしゃべらなかった…のはダメ!


「あっあの、とりあえず腕放してくれない? いっ一緒に学校には行くから」


「ん~。ダメ」


笑顔で却下★ 


「えっと、でも、人目が気になるし…」


「そんなの気にしないで」


…ダメだ。


この人と、会話ができない。


と言うか、こんな人だった?


委員会ではしっかりしてて、まとめ役として最高だったのに…。


恋愛感情が絡むと、人ってこんなに変わるもんなの?


「あっ…」


ヤバイ…血の気が引いていく。


ぞわぞわと鳥肌が立つ。


手にもじっとりとイヤな汗がっ…!


「ごっゴメン!」


神沼の手を振り切って、アタシは走り出した。


けれど追ってくる気配は無かった。


ダッシュで学校へたどり着くと、いつもの所に行った。


朝でもここには人がいない。


「ううっ…」


また、貧血だ。


手にもイヤな汗をかいているし、寒気もヒドイ。


風邪だと言って、早退しようかな?


…いや、まだ出席も取っていなかったっけ。


昨日は結局、あのまま眠ってしまい、気付けば放課後だった。


教室には人がいなくて、ほっとして帰れたけれど…。


「まさか家まで来るなんて」


でもハッキリと断った。


だから諦めてくれたのかと思ったのだけど、案外話し合いが必要なのかもしれない。


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