恋愛恐怖症!?
hosimure
告白される恐怖
アタシは高校生活を満喫している。
友達も多いし、先輩・後輩関係も良好。
勉強も運動もそこそこ楽しんでいるし、学校もおもしろくて毎日充実している。
…彼氏はいなくとも、だ。
そう、ちょっとした悩みはあった。
アタシは俗に言う『恋愛恐怖症』体質だった。
それに気付いたのは小学生の頃。
仲の良かった幼馴染の男の子にある日、告白され、血の気が引いたことが原因だった。
仲の良かった友達が、いきなり違う眼で自分を見ていたことに気付いた瞬間に感じる嫌悪感…!
まず、血の気が引く。体がブルブル震えだす。
怖くて、たまらなくなって、体が冷たくなる。
パソコンで調べたら、『恋愛恐怖症』の一つだと分かった。
でも普通はどうもヒドイ恋愛をした人がなりやすいみたい。
なのにアタシは生まれてこの方、誰とも恋愛をしたことがないのに、恋愛に対して嫌悪感を抱くようになってしまった。
多分…まだ精神的に子供なんだろうと思う。
時間をかければ何とかなるかも、と思っていたけど…間違いだった!
高校二年生になった今でも、告白されると鳥肌が立つ。
それを隠すように、申し訳無さそうに断ると、結構後腐れなく諦めてくれる。
告白してくるのは、それまで仲が良いと思っていた人たちばかり。
だから中学生時代は、
「アイツは男をその気にさせて、フッて楽しんでいるんだ」
…なんてイヤなウワサも流れていたっけ。
でも高校に上がればみんな大人になる。
中学みたいなヒドイことは起こらなかったけど、まあ…陰口はある。
それでも耐えていればいつかは消える。
告白してきた人も、友達に戻ってくれる。
だから耐えてこられたのに…。
「深川
ふかがわ
愛実
まなみ
ちゃん。オレ、キミのことが好きなんだ。付き合ってくれないかな?」
…何故、学校一モテる男子生徒・神沼
かみぬま
夜白
やしろ
に告白さているんだろう?
などと遠い眼になりながら思っている間に、周囲には観客が集まってきたぁ!
よりにもよって、昼休みで廊下に生徒があふれ返る時間に告ってきたから…!
なのでアタシはいつものように、手を胸の前で組み、俯いた。
眼を伏せ、あたかも泣いているかのように見せる。
「ごめんなさい…。アタシまだ恋愛とか考えていなくて…。友達と遊んだりする方が楽しいって思っちゃうの。だから…ゴメンなさい!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます