ふたりだけの魔法のコトバ

足りないものを得るためにメモを取るのに、どれも十分と思えない。
書き出せば書き出すほど、足りないものが鮮明になって形が無くなっていく感覚がする。

それでも、一緒に住むポンちゃんは私に正解を与えてくれた。
履修登録のやり方も。
口内炎の原因も。
これからの生き方も。

私の前に現れた「股間を紅茶の染みで汚した神」は天啓のように正解を授けてくれる。
――でも、それは幻想だってことを私はついに知ってしまう。

口内炎を治す方法を与えてくれないポンちゃんと正解を知らない私。
そんな2人を繋ぐ魔法のコトバ――。



ふたりの関係性が可愛らしく羨ましい、とてもほっこりする優しいお話です。