第6話
◯数週間に渡るサバ子の思い出
サバ子は嘴たちと海へ行ったり街へ行ったり色々な場所へ赴く。
サバ子(M)『きっとこれは巧妙な罠に違いありません 太さんは美味しいご飯でわ
たしを釣って学問の時間を奪うつもりなのです! しかしそこは野生の性 わ
かっていても食欲に打ち勝つことができない… ああサバ子は意思の弱い猫で
す… だけど講義だけではわからない人間の生活を見ることができたのも事実
です』
◯ラブホテル・外観
五人でラブホテルを見上げる。
友人1が振り返り演説する。
友人1「ここはかつてウグイスが囀り梅の花が咲き誇る綺麗な谷だった! とこ
ろがどうだ! 今聞こえてくるのは男女の卑猥な囀りばかりである! よって
我々はここに『鶯谷浄化作戦』を決行する!」
一方友人2・3の表情は暗い。
友人2「虚しさで死にたくなる」
友人3「寒みぃから帰りましょうよ…」
サバ子は目を輝かせながら、
サバ子「太さん! 何が始まるんですか!?」
嘴「…お前染まったなあ」
嘴が一歩前へ出る。
皆が耳栓をつけたのでサバ子もそれに倣う。
友人1「放て!」
嘴『COOORRROOOOOWOOOOO!!!!!』
嘴の鳴き声が一帯に響き渡る。
5人は物陰に隠れて様子を伺う。間もなくしてホテルの入り口から男女が
ゾロゾロと出てくる。皆どこか覇気がなく肩を落としている。
友人1「ハーッハッハッ! その調子だ我が眷属太よ! 心を鬼にして風紀紊乱
な世を正していこう! サバ子ちゃんにはちょっとショッキングだったかし
ら?」
サバ子「よくわかりませんが 交尾ぐらい普通じゃないですか?」
友人1・2・3の表情が凍りつく。深い絶望に崩れ落ちる。
友人1「そうだけどさ! でもさあ! サバ子ちゃんはさああ!」
友人2「人を呪わば穴二つだ…」
友人3「つうかぼくを巻き込まないでくださいよ! 無駄にショックだ!」
嘴「けけけ 馬に蹴られてなんとやらだ」
サバ子、きょとん。
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