一見無茶ぶりなお題から心温まる日常コメディは紡がれる

現実の世界の作家(関川さん!)のストーリーと、関川さんが次々に降ってくる無茶ぶりなお題から紡がれる、あるファミリー(北乃家)の物語との二段構成という、ちょっと珍しいタイプのお話です!

北乃家は、漫画家のおばあちゃんから養子の美少年からミステリアスな娘までいる、変わった家族構成のなかなかの大ファミリーですが、切り取られる日常は極めて現実的で、どこの家庭にでも溢れているアットホームな一コマ。それでも、思わずクスッと笑ってしまうのは、何でもないところからコメディを引き出す、作者様(関川さん)のパワーを感じさせます!

一方で、なぜか現実のはずの、関川さんを取り巻く世界で、不可解な現象が発生し、その意外性がおもしろいです。
そして、現実なのに、どこか非現実。魔法でもかかっているような不思議な設定なのに、どこかラブコメ要素が混じって、ほのぼのとしている中にも、幸せを感じる場面とか、これはこれでまたおもしろいです。

2話で1セットの構成で、しっかり読み応えがあって、しかしながらサクサクと楽しく読めてしまうところ、関川さんはさらりとやってのけているように見えますが、かなりのリーダビリティが必要かと思います。

短くて易しいのに読ませる力がある、関川さんの作品は、この作品に限らずどれも魅力です!
これからも執筆がんばってください!

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