徒(あだ)めく花園に咲いた異世代の華

この物語は、現代からたった300年前後のことを描いているに過ぎません。
場所も、新宿歌舞伎町から浅草吉原に移動しただけです。
車で40分。電車で乗り換え2回で50分足らずでしょうか。
なのに現代と江戸期のジェネレーションギャップは笑ってしまうほど異なります。
ましてや舞台は隔離されていた吉原遊郭(たぶん新吉原時代)。
まさに異世界といっても差し支えないほどでしょう。

遊郭の〝くるわ言葉〟は地方なまりを隠す、遊郭の公用語みたいなものでしたが、実にうまく取り入られて面白かったです。古文みたいでとっつきにくい方はいらっしゃるでしょうが。文章が短いので慣れてきますし、解説もあります^^)

作中。最初のトラブルに、女の意地の張り合いという予想を裏切り、伝染病をもってきたことで強いインパクトを受けました。
遊郭は人の欲の坩堝(るつぼ)ですからね。当時いろんな病気が流行ってました。

主人公の山吹は、元ヤンキーという雑草魂をもったキャバ嬢で江戸時代に現代のいろいろな知識・文化を持ち込みます。
一話一話、よく調べられておりサクサク読めて痛快なので、是非ご一読戴き、応援してあげてください。

その他のおすすめレビュー

玄行正治さんの他のおすすめレビュー37