令和の陰陽師は、配信系

私は、陰陽師といったら「救急如律令」を想像する世代だ。
跋扈(ばっこ)する妖怪、悪霊の類いを退散させる。ある意味ヒーローだった。

そう、これは世代なのだ。
令和の陰陽師は、ダンジョンへもぐって動画撮影し、世界に向けて発信する。
人知れず倒さない。倒すところを見てもらう。10万人、100万人規模で。
時代は変わったw

作者のアイディアは一見、好きなハデ物を1つの鍋にぶち込んで、ぐつぐつ煮たてたような設定だが、巧みに整理されている。主人公は強いのだが仲間の支えを必要としているし、仲間も頼りされることを望んでいる。そして人を魔から守る。

脇を固める少女たちもキャラが立っていて、ありふれてはいるが飽きさせない。
そして何より、読み手に読みやすく心を砕いている点は、私自身のことを棚に上げて評価したい。20話を小一時間で読めたのはそのためだ。

ネット動画配信+陰陽師という、ちょっと上の兄さん姉さんには抵抗ある人もいようが、世界観または物語導入部分としても、うまく取り入れていると思う。
陰陽師は、令和でも、こうして立派に歩いて行く。
面白かった。作者の今後いっそうの健筆を期待したい。