第26話 笑顔の向こう側
はるか、あすか、しのぶは、ドアの前に立っていた。
大輝と明子先生は、ベッドに座っていた。
「女の子3人とルームシェアなんて、できません。」
「そうなの?」と明子先生。
「自分だって、一人の時間、ほしいんです。もう、これ以上、ふりまわされたく、ありません。」
「じゃあ、彼女たちの気持ちは、どう思うの?」
「わがまま、すぎます。」
「好きな人のそばに、いたいのが、女の子よ。」
「もっと、自然にできませんか?普通の女の子に戻って欲しい。」
「普通でいられないほど、好きになったとしたら、あなたは、どうする?」
「まだ、自分は、それほど人を好きになったことがないので、わかりません。」
「ほらね、逃げた。」
「どういうことですか、先生?」
「誰かを、死ぬほど、好きになってごらんなさい。まわりが見えなくなるほどに。」
「まわりの目が、怖いんです。」
「彼女たちだって、一生懸命なのよ。恥や外聞を捨てて、あなたを追いかけてる。」
「でも、だれかひとり、選べば、そのほかの子が、傷つくんです。結果は、曖昧な方が、いいんです。」
明子先生「本当に?」
「いつまでも、どっちつかずの関係なんて、彼女たちは、耐えられるかしら?」
「よくわかりません。」
「煮え切らないわね!じゃあ、私となら、どう?」と言って、明子先生は、大輝のくちびるに、くちびるを、合わせてきた。
大輝は、めまいがするような、ショックを受けた。まさかのキス。いつのまにか、両手は、背中に回している明子先生。
好きでもないのに、キスできるのかと大輝は、自問自答した。良き相談相手と思っていた。
明子先生は、くちびるを離すと言った。
「君は、魅力的よ!」
ドアがバンバン叩かれている。奴らだ。どうしよう?
その意を汲んでか、明子先生は、「ほっとけば、いいのよ」と言った。
夜は、終わり、明け方を迎えようとしていた。
君は、ネバーランドの夢を見る。
トライアングルラブ 美乃坂本家 @fit2300get
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