すくいとる

 ずば抜けたさすがの文章。一文一文が既にして文学である。

 よくある学園ドラマのようでいて、少女達の心理のゆらめきがときに虚像、ときに実像となって迫ってくる。

 虚像は上下左右が現物と同じだが現物より大きく見える。

 実像は上下左右が全て現物と逆になり、焦点からはなれるほど小さくなっていく。

 焦点そのものにある現物は、スクリーンに映らない。

 主人公の心理は、私には実像と認識された。当人はどう思っているのだろうか。

 必読本作。

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