貴女の瞳に映るのが、僕であってほしかった。

 衝撃的な一文から始まる一作。
 主人公は男子大学生。社会人の兄と同居している。そんなところに、兄が彼女を連れてきた。その日から、主人公は兄の彼女に惹かれていた。
 今日は兄の誕生日。玉ねぎを刻む兄の彼女。何気ない会話。
 それが、たまらなく苦しくて。だから、せめて。

 主人公の心の純粋さと、そのわずかな綻びに、こちらまで胸が苦しくなります。

 是非、御一読下さい。