衝撃的な一文から始まる一作。 主人公は男子大学生。社会人の兄と同居している。そんなところに、兄が彼女を連れてきた。その日から、主人公は兄の彼女に惹かれていた。 今日は兄の誕生日。玉ねぎを刻む兄の彼女。何気ない会話。 それが、たまらなく苦しくて。だから、せめて。 主人公の心の純粋さと、そのわずかな綻びに、こちらまで胸が苦しくなります。 是非、御一読下さい。
ひとこと紹介に述べたその台詞が本作の全てを現している。 実質的に二人の登場人物で進められる本作だが、名前だけの登場に過ぎない兄が軸になっており憎い構成だ。調理の演出も細やかでいい。 主人公をつい応援したくなる。