紙の本で読めるのを、ずっと待っていました!

私はこの作品が大好きです。
作者である草野さんの強靭なる哲学の知識とミステリへの深い造詣が気品のある文章の中に閉じ込められており、読者である私たちに静謐な興奮を与えてくれます。
本作がどんな作品であるかは、作品情報欄にある「あらすじ」の通りですのでここでは割愛させていただきます。
また書籍版ではWEB版にはなかったエピソードが書き下ろしで追加されているようです。その新規エピソードからは主人公・理子さんのキャラクターや、物語の大きな縦軸が見えてきて、WEB版からの読者としても書籍版を読む楽しみが増えました。

初めて『哲学研究室の午後』(本作の旧題)を読んだ時の感動を、今でもはっきりと覚えています。心地よい読後感に浸りながら、かつて自分の勤めていた書店にこの作品が並ぶ光景を思い描いたものでした。それが本当に叶うとは! それもこんなに早く!
嬉しくて嬉しくてたまりません。