ヴァンパイアドウターズあるいは生きることはもっとも高貴な邪悪

ギーメ。
ブラッドプロセッサに寄生された人間、その異人種は、シリンジと呼ばれる一方通行のテレパシーを使用できる。
だが普通の人類がそれに被爆することは、不可逆的な障害や死をもたらす。
ギーメの少女、楠本生糸は、生きるために人々の記憶を書き換え、その生活に寄生することで生きながらえていた。誰にも気づかれないように。
だが、孤独は彼女の心を病む。
あるとき、同族のギーメに出会うが、だが彼女は……
さらにギーメを敵視する軍隊、それと戦うギーメの軍隊も現れ、運命はあらゆる事象の原点に向かって否応なく生糸を押し流していく。