三重の百合

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（200文字）

さっぱりしているながらも、重たい所は重たい。
さながら塩ラーメンと豚骨ラーメン。
良いバランスだ。

　この度は、私の自主企画にご参加いただきありがとうございました。
　ねっとりとした「彼女」への情欲が、余すことなく表現されており、非常に満足感のある作品でした。教師と生徒、良いですよね。好物です。

ただひたすらに、”彼女”を求める女たち。学校という息苦しい世界で、理性は限界を迎えようとしていた。ただ女の人が好きなだけではない、倒錯的な欲求を募らせる女たちの物語……

あまりにもすごい描写力で驚きました。二人の視点で見られる姿は美しすぎて感動しました。場面、肉体、感情、もう描写力がすごすぎます！

教師と生徒と言うシュチュエーションは個人的に好きなのですが、そこにプラスアルファで三重の百合と言うタイトルにふさわしい作品になっているのはすごいと思いました。

地の文もとても細かく書いてありますが、かと言って読みづらいわけではなく、真似したくなる書き方でした。

また伏線の芸が細かく、再び読み直しても別の楽しみ方ができます。

ただ、作中で『蠱惑的』等耳慣れない単語が出てきたので、そこにルビが振ってあったらもっとよかったなとは思いました。

しかしながら、シュチュも内容もThe 百合って感じで、百合好きなら満足できる作品だと思います。

心理描写が上手く、結末が予想できない点が楽しめました。オススメです。