見えもしない。聞こえもしない。

本作は都市伝説系のオカルトをモチーフにしている。

創作活動をしているひとのなかには、この辺の記事を読み漁ったことのあるひとも多いのではなかろうか。

自分もまたそのひとりである。

ネットの拡散力というのは凄まじく、小さな出来事でもあっという間に尾ひれがついて収集がつかなくなる。
そのさまはまさに「感染」である。

本作はとある遺書にまつわるお話。
あらゆる情報がネットにさらされ、知りたくもないエピソードはいくらでも出てくる。しかし知りたい情報に限って見つからない。

主人公は焦る。自殺した妹の最後の声を聞きたいのに――。

さくっと読める短編仕様のソリッドホラー。
きっとあなたも癖になる。