何ひとつ辿り着けていないからこそ

妹が死んだことから始まる物語なのですけれど、主人公は何ひとつとして真相に辿り着けていません。ある特定の場所から動いていないとも言えますが、それは能動的ではないというのとはまた意味が違ってきます。最初からラストを想定して書いていたのだとすれば天賦の才があると感じました。
何ひとつ辿り着けていなかったからこそラストに生命が宿ったのですから。