思わずおなかの虫が鳴いてしまうような、細やかい料理の描写が目玉の一作です。蕎麦と一言でいっても、中々奥深いのだと非常に勉強になります。また、なんだかんだ言いながらも、美味しそうな蕎麦を作っている主人公と兄たちとの対比も、にやにやさせられました。
描写がリアルな食べ物の小説は、深夜帯に読んではいけない。そんな真理を再認識させてくれる、これはお腹が空くお話です。主人公は蕎麦を食べるため、そばつゆを求めて東奔西走するのですが、主人公が引くことになった貧乏くじとは、一体なんなのか。結末ももちろん気になるけれど、それと同じくらいにお腹が空く。あえてお腹が空いてる状態で読んで頂きたい、そんなお話ですよ。
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