老騎士の食徳に敬意を表して

口触りの良い美味しい作品は世に溢れていて、食べれば食べただけ満たされるけれど、不思議なことに読後の充足感は確かに一時のものであって、だからこそ絶えず他の作品を読み、その美味しさを味わうのに必死になってしまっている気がする。それがこの作品はどうだろう。読んでいて、こうまでも美味しさそのものを消化するのに疲労し、けれど満たされる作品はけして多くないと私は思う。まさしく御馳走。疲れた。それこそ美味しさを堪能するためだけにこうまでも疲れたのは久しぶりで、だからこそ、この作品に出会えた僥倖に感謝します。美味しかったです、ごちそうさまでした。

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