あまりにも圧倒的

他者を嫌い社会を呪い自分を殺してまで「人間」を憎み尽くした男が、第2の生を生きて楽しむと決めた、言葉にすればそれだけの物語だ。

けれど、死なないことは生きることではないし、
死ぬ理由がないことも生きる理由とはならない。

自分の命にも他人の命にも一切頓着せず、自分がなにを失くしたのかもわからないまま、なにを失くして、どうして死なずに生きているのかを、ただひたすら考える男の生きる過程でもある。


起源であり進化であり来由であるからこそ、あまりに圧倒的で、感想?なにそれ、という気持ちだ。
だが言えることはある。
読め、以上だ。


GW明けに偶然この作品にたどり着き、昨日までに仕事の合間を含め、割ける時間を使いまくって1230話を読み、更新されたばかりの最終話に覚悟をもって挑んだ。正直言って、この作品に出会ったのがGW中でなくてよかったと本気で思う。寝食削って5徹したのち倒れてそう(

書籍化によってさらに研鑽されているのかと思うと、もはやそれは畢生の大作では?
なんてことだ、楽しみすぎる。

あ、ちなみに、ニコラスがサイコウォードに付喪神が宿ると、そうだといいなと願ったときは、ほろりとしました。とてもとても好き。

とりあえず2周目に戻ります。
感想を書けるほど頭の中で整理出来たら、また書き直します。



2022.5.26追記

2周目、読み終えました。
思い連ねるまま書き進めてたら、余裕で3000字超えてて、あっこれ感想じゃないわ考察?確認?どちらにせよ、思うことがありすぎてローとハイディについては無理ってなったので下略。

個人的に気になっているのが、本編では解明されなかったというか到達していないので正答はわからないのだけれど、一度植え付けた根は、植えられた当人の生命活動が続いている限り、当初の意思(つまりローの意図した指示)どおり、働き続けるってことで良いのだろうか?てことは、ハイディは、まず怪我や病気や暗殺では死なないってことよね?
最終的に、肉親との別れとしてローとの関係を帰結させたハイディが、仲間がいるから前に進むと決めたように、聖女であろうとも一個人として生き、天寿を全うする、そういう人生を送れるよう祈っておく(ハイディの無意識な献身はどちらかといえば潜在的な殉死にも等しい気がするので)。

ただ、承認欲求の化身ともいうべきマルスランがローの傍に眷属として残っていることがあまりに皮肉で、いっそ泣ける。こんちくしょう(嫌いじゃない)
でもって、正しく業の権化であるカルマ体を目にしながらも、平然とローに話しかけられる勇者ヴェルテクスと首途パパの今後に幸あれ。

最後に。
エルマン、長生きして(切実)





2巻の発売日はいつですか……(未来は遠すぎる
エルマンの活躍は3巻ですかね???
2巻もちろん買いますとも!エルマンのためにも!

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