町の公民館は異世界へと繋がっていた。おっさん達の為のヒューマンドラマ。

寺崎正40歳。ごく普通のサラリーマンで、ギャンブルもやらないし酒も飲めない。かといって文学や映画、スポーツなどの分野に興味を示すわけでもない彼は、妻子公認の「つまらない人間」であった。
しかし、そんな寺崎にも転機が訪れる。
公民館の掲示板に貼られていた一枚のポスター。それはまさしく、ちょうど寺崎と同年代のおっさんたちが集うサークル「異世界召喚予備軍」のメンバー募集の張り紙だったのだ……というところからスタートする現代劇です。

異世界召喚予備軍を名乗るだけあって、おっさんたちの活動は本格的。
甲冑をつけてチャンバラをやるあたりは「ああ、要はアーマードバトルかな? 珍しい題材だな~」と思って読んでいたのですが、しばらくしたら異世界で生き延びるためのサバイバル講座が始まって「あっ、これガチなやつだ……!」と認識をあ改めるなど。

冴えない男だった主人公に打ち込めるものができ、彼自身が変わっていく様子は心に響くものがあります。

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