理解よりも共生。そこが読みどころ☆

『エリート変人と麗しき変人の奇妙な契約』の続編的な作品として、作者が新たな一面を掘り出した「別ルート」の物語です。本編を読んでからコチラに入るのが筋かと思いますが、コチラの作品を単体として読んでみても十分に面白いです。

子は鎹という言葉があります。子供は夫婦の仲を取り持つという意味で知られてますが、この作品を通して使うならば、子供は夫婦間だけでなく、あらゆる「ファミリー」に対して仲を取り持ってくれる存在なんだなと感じさせてくれます。男性同士の夫婦間、二人のご両親に対する家族愛、さらには職場という環境の中でも重要視される家族の「ような」関係。一見、トランスジェンダーの妊活物語として捉えがちですが、その物語の奥底にはマイノリティに対する理解よりも、本当に愛する者たちとの共生をテーマとして綴られているのではないかと思いました。設定されている職場が建設会社なだけに、子は鎹に対する洒落っ気もあったりして?

LGBTや妊娠・妊活に対する知識、出産時の大事なことなど、学ぶところも多く読み応え抜群です☆

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