愛すること。それが人の礎です。

男性同士のカップルが妊活に励み、赤ちゃんを産む────

ざっくりとしたあらすじだけを知れば、なんて突き抜けたBLなんだと思うかもしれません。
けれども、私は本作はBLという括りを完全に超越した、「一人の人間として、一人の人間を愛すること」の延長線にある、愛に溢れた物語であると考えています。

男性ながらも今回出産に挑戦することになった柊君と、彼のパートナーである神岡さん。
彼ら二人が出会ったとき、彼ら自身も、そして彼らの周囲の人達もどこか歪なところがありました。
けれども、二人がお互いを深く愛し、大切に思い合う中で、新しい生命が育まれ、そのことが彼らの家族や同僚を巻き込んで様々なドラマを生み出していきます。

人が人を愛することで、これまで自分に与えられてきた愛を知り、これから自分が与えるべき愛を知っていく。
それが人の絆となり、家族の絆を深めていく。
純粋に、ひたむきに愛することの尊さを改めて教えてくれる素敵な作品でした。

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