まとわりつくもの

 髪に限らず細く細かい品が湿って肌に直接触れ続けるのは非常に不快である。ましてそれがああした背景から伸びているとなれば逃げ場がない。ピンセットで摘ままれて最初から出口のない迷路に天井から入れられるようなものだろう。生ける屍という表現があるが、本作は差し詰め生ける屍蝋か。