大好きな人に振り向いてもらいたくて

時間の流れとともに変わってしまうものはあると思う。

変わることを儚いと思うか、憎いと思うか、仕方ないと思うのか。

人の心は繊細で、環境や周囲の人に感化されやすいものだ。

だからこそ、自分が大切にしていることを日常から考えておかないといけないし、自分を持たないといけないのだと思う。

でも恋愛において、それは難しい。

自分の好きと同じ分だけ、相手も自分を好きでいてほしいと思ってしまうから。

この作品は、まさにその想いが詰まっていて、誰しもが思うであろうことを描いている。

好きだからこそ、自分の想いを押し付けたくなってしまう。

同じように、同じ厚みと重さで自分を包んでほしいと思う。

思っても、なかなか叶わないのが恋。

結局、相手がなにを考えているかなんてわかりっこないし、相手の環境に身を置けるわけでもなければ、置いたところで共感できるかさえ、わからない。

正直、社会人1〜3年目って、ほんとキツイ。

ヒロインの彼がどんな仕事をしているかわからないけど、彼の気持ちが痛いほどわかる。

あれは、経験したことのある人にしかわからない。

ヒロインの気持ちもわかるけれど、彼の気持ちもわかるゆえに、悩ましい。

どっちの立場でも、頭を抱えてしまう。

いい意味で生々しい物語でした。

人の気持ちって難しいですね、ほんと。

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