永き因縁の果て。

 これは守護者の物語。自ら望んで魔を滅する性を得た者の歩んだ道。

 内容に関してはここでは触れません。色々な仕掛けがあって、それを読み解くのも読書の楽しみ。奪ってはいけませんから。

 ですので描き方に関して少々。
 心情を広く描こうとすると局面が増えてしまう。普通は展開の遅さに焦れて、それを避けようと視点を工夫しようとするもの。
 でも、ちゃんと描いたほうが広がりは見える。この作者は怖れることなく難しいことを平気でやっていますね。

 だからテンポ感などと無粋なことを言ってはなりません。その深みを味わってください。

 熟成された嗜好品のような。

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