ささやかな日常の謎と、「三毛」と名付けられた黒猫の秘密。

 主人公はある周期で嫌なことを思い出す。しかしそれを過ぎれば、会社の中でも社会の中でもそれなりに上手くやっていた。しかし野良猫である黒猫は、主人公にとって、「孤独」と言う点で共感できる存在だった。しかしその野良猫に、ある日首輪がついていた。首輪には「三毛」とある。黒猫に三毛という名前はいかにもおかしかった。 
 そしておかしな出来事と言えば、マンションの玄関先で主人公に手を振る女性がいる事だった。主人公が通勤で使う電車に向かって、美女が手を振る。一体何故だろう。
 ささやかな日常に潜む謎は、同級生の男によって思わぬ方向へ動き出す。
 そして、ラストで全ての伏線が一気に回収されることとなる。

 何故、女性は主人公に手を振ったのか?
 何故、黒猫なのに「三毛」なのか?
 そして、主人公が思いだす嫌な記憶の正体とは?

 是非、御一読下さい。

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