テンポを落とさない
物事の羅列や詳細な描写をする際にだれないための技法。
1. しゃべり言葉や日記などで感覚的に自然ならば、文法的には不完全な省略を用いてもよい。(p12)「もう一週間、救援は現れない。今日も。」
2. 同じ構造の文が複数ある場合、共通する部分を1回のみ記述し、他は省略する(くびき)。日本語の場合は共通する部分を最後に持ってくるのが自然。(p21) 「謙譲には高慢を、いたわりには侮蔑を、愛には憎しみを、彼らは返してきた」
文法的な対応関係(動詞と名詞の対応や性など)が厳密でない場合もある。(p136)「その大男は酒場で、巨大な骨付き肉、かごいっぱいのパン、バケツのようなジョッキになみなみと注がれたビールをあっという間に食い尽くした」
3. 同じ構造の文が複数ある場合、主部と述部をそれぞれまとめて述べる。(p108)「剣士、魔法使い、僧侶のパーティに襲い掛かった魔物の群れは、斬られ、焼かれ、浄化され、数分のうちに死体の山と化した」
主部(A)と述部(B)の順序を逆に述べる(「Bした、Aが」のような)ことも可能。(p107)「もたれかかるように崩れ落ち、押し流し、水のつぶてを叩きつける。その波、うねり、風に小舟は翻弄されていた」
4. 複数の同様な事柄を説明するとき、最初に要旨や概略を述べて次に詳細を述べる。(p625)「昨日我が家に突然、領主様とそのお嬢様がいらっしゃったのです。領主様は精悍な顔つきで、威厳のある御髭を蓄えておられ(中略)、一方お嬢様は気品のある御髪と物憂げな瞳が(後略)」
5. 同じ構造の文が複数平行する場合、文字数と使用する単語の意味にある程度の一貫性を持たせると漢文や和歌のような調子の良さが発生し、テンポを落とすことを防ぐ。(p62)「少年はすっかり変わっていた。手には本の代わりに剣が握られていた。足にはサンダルの代わりに獣皮が巻かれていた。目には優しさの代わりに憎悪の光が輝いていた」
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