様子

 ものや人の様子を印象づけるための技法。


1. 過去形で語られている場面で現在形の文を混ぜ、生き生きした感覚を描写する。~た。~る。~た。~る。と機械的に処理しがちだが、本来はこのような効果がある。(p527)「夜道、侍は忍者と対峙した。その手には鎖鎌。ゆっくりと回る分銅の鎖がちゃり、ちゃりと鳴る。しばしのにらみ合いの後、双方同時に飛びかかった。細く長い剣筋が現れ、消える。敵はどうと斃れた」


2. 最初に全体を述べて次にその部分に対して同様な記述をする。(p330)「戦場の空は急に曇り、激しい雨が敵味方かまわず降りかかった。甲冑から、刀から、槍の先から、馬のたてがみから、雨水が滴り、地面を黒く染めてゆく」

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