抽象的なもの

 抽象的なものを強調するための技法。


1. モノとして扱う。抽象的な概念は読み飛ばされがちだが、モノにしてしまうことで把握しやすくなる。(p109)余談だが自分の成長や技能を数値化したり、ステータス表のようなもので確認できるようにするのもこれの一種ではなかろうか。RPGや「なろう系」にはそういう工夫が随所に見られる。「オレは剣士レベル72、あいつは68。一対一で戦えばまず負けることはあるまい」

 専門的には、具象は抽象によって限定されるのが普通だが、これを逆転させたものがこのレトリックであると説明される。「闘技場の殺気のなかに飛び込むと、身が引き締まる思いがする」。通常であれば「殺気に満ちた闘技場」のような表現になるところ、「(殺気には様々なシチュエーションがあるがとりわけ)闘技場の殺気」と、「闘技場」が「殺気」を限定することによって、「闘技場」よりも「殺気」に焦点が当たるようになる。

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