主張・考え
主張や考えを強調するための技法。
繰り返しによって強調する。
1. 具体例を多数挙げて説得力を高める。(p324)「殺人犯はこの部屋から出ることはできなかったはずだ。窓やドアはすべて内側から鍵がかかっている。暖炉の煙突には長年の
2. 文の構造を統一する。(p58)「誰が被害者を殺害したのか。どのように被害者を殺害したのか。なぜ被害者を殺害したのか。それらが明らかになって、はじめてこの事件は解決する」
強調の効果を少し抑えたい場合、「AはBである。B´なのはA´である」というように順番を入れ替える(交差平行)。ニュアンスの変化があることに注意。(p56)「張り込みで徹夜するのは全然いやじゃない。でもちょっと勘弁してほしいのは、N警部と一緒ってことだ」この文は多分いやいやながらもやるんだろう、という感じだが、交差を解くと多分断るんだろう、というニュアンスになる。
3. 帰納法を装う。「Aという全体の中のA1, A2, A3…がBであるから、アクションCを行う」という形。BからCに至る推論が不十分または主観的だったりする。また「A1, A2, A3…がAに属している」という前提も十分に検証しないこともあるので、帰納法ではなくレトリックに分類される。(p621)「あいつは私の弱みを握り、会社から企業秘密を盗ませた。金品を脅し取った。あいつの妻は不倫を疑い、職場に悪い噂を流した。だからいっそ殺してしまえ。そう思ったの」
論理的な方法で強調する。
4. 言いたいことと正反対のことを仮定し、それが事実と異なることや矛盾を引き起こすことを示す。(p661)「もし奴に良心というものが少しでもあったら、こんな風に遺体を辱めることなんてできるはずがない」
5. 反論・誤解・疑念を想定して文章の中であらかじめ対処しておく。(p657)「あの女は事件に関する重要な情報を握っている。そう俺の直感が言っている。誤解しないでくれ。俺が今まで担当した事件で、この直感が外れたことは一度もない」
心情的な方法で強調する。
6. 具体例を複数挙げるが、最後の一つ以外はあり得ないものにする。(p328)「じゃあ、殺人犯は壁をすり抜けられるってことか? それとも部屋の外から念力かなんかで殺したってことか? それともまだ、この部屋に隠れているってことか?」
7. 肝心な部分を後に述べる。(p409)「密室で起きた殺人の謎、歌い出す死体の謎、次々と現れる自首者の謎、それらすべてに共通するものは何か? それは作者のブラフである」
8. あえて最後まで言わない。(p415)(p652)「いったいこれは事故死なのか。それとも?……」
9. 問いかけることによって印象付ける。(p651)「さあ、皆さん、この謎を解いてみてください。必要な情報はすべてそろっていますよ」
自問自答することもある。(p653)「彼が真犯人なのか? いや違うね。限りなく黒に近い、真っ白だ」
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