感情
主に地の文にこめられた感情を強調する技法。
語順の転置によるもの。
1. 伝えたい感情がこもった文を最初に提示し、後から補足する。(p33-35)「ついに私は見つけたのだ! 失われた王国に入る鍵、その鍵が少女のペンダントの中に隠されていることを」
2. 状況説明を先に済ませ、それから感情を呼び覚ますような表現をおこなう。わかりやすさを優先する場合に使う。(p36)「宝物庫に入った人々はそれを見て驚愕した。林立する純金の柱、金貨や宝石があふれる宝石箱の数々、そしてその中で異彩を放つ、魔石を納めた巨大な廟を」
反復によるもの。
3. 同じ語句の反復によりその語句にこめられた感情を強調する。(p52)「王国を探す彼の苦労は並大抵ではなかった。史料や遺物を探す苦労もさることながら、心ない人々の偏見や軽蔑と闘う苦労が最も彼を苛んだ」
必ず反復ごとにニュアンスを変えること。でないとコミカルな感じになってしまい、逆効果になる。(p45) 「いやー昨日全然寝てなくてさー。寝てなくてつれーわー。実質一時間しか寝てないんだよねー」
口語表現を埋め込むもの。
4. 地の文に感嘆文をそのまま入れる。三人称視点の中に一人称視点を挿入することもある。また例外的には、視点を持たない人物の感嘆文が挿入されることもある。(p300, p354, p526)「地面に投げられた一枚の金貨。貧乏な少年にとって、それは必要なものだった。それを拾うな、俺は物乞いじゃない! 少年は心の中で叫ぶ。しかし周りに誰もいなくなったとき、彼は震える手でその金貨を握りしめた」
7. 余分な言葉(剰語)を使い、文をスムーズにする。口語寄りの表現を心がけると発想しやすい。(p364)「何かあったのではないか」「少年にはなにもなかった。ただ、彼女を除いては。それだけでもう彼には十分だった」
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