概要
その魔法のようなデバイスは、褪せた視界にまばゆく世界を映し出す。
異星由来のARデバイス「グラフィック・アクセラレータ」が普及した、明日くらいには未来の世界。記憶のない少年・月島宗典は、人間不信の少女・千川柚子乃に請われ、とある地方都市を騒がす仮想空間上の存在を追うことに。鍵となるのは発掘された宇宙船の残骸から見つかったコアモジュール。その未解明な存在を巡り、絡み合う大人達の思惑。幻想的な光景の中、宗典は柚子乃と共に現実世界を走り出す。これは、すこしふしぎ(SF)を追いかける、少年と少女の物語。
*この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
*この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!僕とわたしの物語
久しぶりに五感を揺さぶられた作品かもしれない。
「宙見市」と言う小さな地方都市を舞台に、少年と少女が「黒い影」と呼ばれる異星の謎を追いかけて行く。
魔法が使える訳でもなく、ずば抜けた能力を発揮できる訳でもない二人がAR(拡張現実)デバイスの普及する世界を疾走する姿。
その様子は作中に散りばめられたテクノロジーとは別に、どこかノスタルジックな場所へいざなってくれる不思議な作品だ。
街、人、空、海・・・すべてにおいて匂いたつ表現は筆者の独特の文章表現のせいだろうか。
読み進めながら、気が付くと登場人物の「月島宗典」「千川柚子乃」と共に宙見市を一緒に駆け抜けようとする錯覚すら覚える。
「STAY …続きを読む - ★★★ Excellent!!!黒い影を追う柚子乃と、記憶を失っている宗典の不思議な物語
SFというと、やはりロボとか宇宙とか、そういうイメージが強いんですが。
本作は日常を舞台とした近未来でのお話でした。
G.Aと呼ばれる仮想デバイスが日常に存在する世界。
そこで盲目だが、G.Aにより世界を見ることができ、しかも特殊な力を持った柚子乃が、奪われたあるものを黒い影から取り返すべく奮闘する所から始まります。
作戦は失敗し、逆に黒の影から追われる事となった彼女の前に現れた、黒い影を触り、払える記憶喪失の青年宗典に助けられて。
と、特異な出会いを経て進んでいく物語です。
近未来らしい、現実にも近い世界観の中で、柚子乃と宗典だけでなく、柚子乃の家族なども出てきますが、まず良かったのはそ…続きを読む